Big Blueは、スキンだけ変えた類似品が氾濫するAmazonポタ電の中では、おおよそ類似品が見つからない異色の存在です。
本機をチョイスした理由の1つは、液晶ディスプレイに電池の容量を表示することができることから、容量のインチキはないだろうと思ったからです。実際計算してみると、36AH×52.9Vで約1900WHということになり、公称値を満足しています。
あるいは、他の理由としては、充電速度や充電を停止する容量%が選べることがあります。無理に最速で100%まで充電する必要もなく、電池寿命等を考えればあってしかるべき機能と思われますが、おおよそ実装された機器を見たことがありません。お仕着せの設定で充電しなくてはならないものがほとんどです。
以上、Big Blueが真っ当な機器であることが伺えたことが、注文した理由です。
GPSやWiFiについては動作確認していませんし、諸兄の評価に譲りますが、当方では電源の品質について垂直12bit分解能のオシロなどを使って評価してみました。
結論から言えば、最大3.5KWHの機器が使用できるなど、それなりのパワーインバーターを搭載している割には、ノイズの出方が素直で、波形崩れも比較的小さいということでした。この手の電源は、ノイズをカットしなければ、精密機器(オーディオ機器)などに使うことは難しいのは致し方ないところですが、一方、ノイズカットに使用するトランスは概ね10KHz以上の周波数をカットするのは得意ですが(-40db以下にはなる)、基本波に近い1-2KHz以下の成分をカットするのは苦手としています。なので、この帯域に発生したノイズといいましょうか高調波成分の比率が大きければ優秀なトランスでもカットできないということです。
最初にノイズカットトランスを入れてオーディオ機器(エソテリックのセパレートCDP/DAC)を動かし、質感を確認してみましたが、クリアで脚色のない、とくに低音の濁りが少ないように感じました。高級オーディオにも充分使用可能なレベルです。もちろんノイズをカットした商用AC電源よりも質感は高いです。また、他のポタ電(1500Wクラス、700Wクラス)と比較しても、おそらくBig Blueが最も良いようでした(たまたまかもしれませんが)。
で、実際に裏をとってみたわけですが、Big Blueを数ワットの負荷状態で出力波形を観測しました。基本波に20KHz付近のノイズが盛大に乗っていました。12bitオシロの波形は、基本波にきれいに20KHzあたりのノイズ(バッテリー電圧を昇圧しているスイッチング電源のノイズらしき)が重畳されているように見えます。逆を言えば、20KHzをカットできれば基本波の純度は比較的高くなるということです。もちろんバッテリーの電圧が高く、昇圧比が小さいとうこともありましょうが。
他のポタ電では、このような見え方ではなく、波形自体が滲んだように見えますが、これは単一の周波数ではなく多くの周波数成分が重畳しているいることを意味します。ノイズの出方が汚いということです。
FFTを取ってみましたが、はやり、20KHz付近と40KHz付近にはっきりピークが認められます。しかしながら、1-2KHz以下のスペクトル成分は充分に小さく高調波成分で汚れてはいません。トランスでノイズをカットして観測してみましたが、20KHzと40KHzの成分はきれいにカットされていてなくなっています。
他のポタ電では、1-2KHz以下の高調波成分が盛大に乗っていて、これはトランスではカットできていません。多少はレベルが下がるにしてもです。
このトランスですが、ノイズ対策をほどこした電源タップ(コイルやビーズなどを使ったフィルターが何段にも入れてあるものです)のあとに接続してみて、変化があるかないか調べたのですが、ノイズが充分少なければ、トランスを入れるとむしろ悪くなるはずなのですが、えっ、というくらいに質感が良くなります。
当方では主に電力機器を使うために購入したのではないので、このような評価を行うことにはなりますが、総じて、電池容量の小さいポタ電は、相対的には高い周波数のノイズは小さいことも多いのですが、かといって、オーディオ的な質感が良いとは限らないです。
たとえば、25,000円くらいで、600WHの格安のポタ電も購入してみましたが、悪くはないにせよ、何故か癖を感じてしまいます。理由は、おそらく、1-2KHz以下の高調波成分ではないかと思われますし、負荷電力が一定なら、電池の容量が大きいほうが、使用率が下がるからではないかとは思われます。
Big Blueは停電した場合には、電力機器に使用するとは思われますが、停電など滅多に起こるわけではないですし、平常時はオーディオ機器に使って、良い音を楽しめるのは嬉しいです。
オーディオ用に使うというのはレアケースかもしれませんが、3φのACを4KWくらいの逆Vノイズカットトランスで作ったACよりずっと良いのですから、投資する価値は充分あると思われます。ただし、後段には100Vの1:1のノイズカットトランスは必須です。
追伸ですが、本体には少なくとも2バージョン程度が存在するようです。ファームが違うだけかもしれませんが、去年の夏ころのものとはハードにも若干変更があった可能性もあります。外観は同じですが。
充電に関しては、1500Wにすることもできるはずですが、連続15Aだと危険なので、わざと落としているようにも見えます。1200W設定でも1200Wはフルに使っていないようですし。以前1500W以上で充電する機器を使ったことがありますが、ブレーカーは落ちませんでしたが15A定格のケーブルではかなり熱くなります。
日本では15A以上の製品はおそらく作れないので、充電速度を上げるなら、200V入力などがあればよいのかなと思います。海外品は230V対応なので、現状、使っても問題ないのかもしれませんが。
対応機種 | スマートフォン |
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カラー | イオン |
電池付属 | いいえ |
電池使用 | はい |
ブランド名 | BigBlue |
メーカー | BigBlue |
製品型番 | CP2500-JP |
その他 機能 | 高速充電 |
サイズ | CP2500 |
梱包サイズ | 58 x 52.5 x 48 cm; 31 kg |
商品重量 | 31 キログラム |